苦痛の少ない内視鏡検査への取り組み
当院では、内視鏡専門医による苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査を行っています。
がんの中でも胃がんと大腸がんは罹患率や死亡率の高い病気ですが、早期発見と適切な治療で完治が可能です。ただし、どちらもかなり進行しないと自覚症状に乏しいため、早期発見のためには定期的な内視鏡検査が不可欠です。
当院では、つらいイメージの強い内視鏡検査を楽に受けていただけるよう、苦痛を最小限にする検査手法を取り入れ、経験豊富な内視鏡専門医が最新機器を用いて、なるべく苦痛が少なく検査を行っています。胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査はそれぞれいくつかの手法がありますので、患者様のご希望や体質に合わせて最適な検査方法をご提案し、安心して検査を受けていただけるようにしています。また、患者様がリラックスして検査を受けていただけるよう、院内での過ごし方にもきめ細かく配慮しています。
楽な検査であれば、気軽に受けることができます。「これだけ楽に受けられるなら、定期的に受けて健康やクオリティ・オブ・ライフを守りたい」と思っていただける検査を心がけていますので、安心してご相談ください。
ウトウトした状態で検査を受けられます
安全性の高い鎮静剤を少量用いることで、ぼんやりと眠っているような状態で検査を受けられます。主に経口検査で用いられ、舌の根元が敏感で強い嘔吐感が起こりやすい方、そして検査に対するご不安が強い方におすすめできます。年齢や体重、普段服用されているお薬など、さまざまな条件に合わせてきめ細かく麻酔量を決定し、全身管理をしっかり行いながら検査をしています。ただし、体調やお身体の状態などによって麻酔を使った方法での検査は行えない場合があります。
検査終了後に麻酔が完全にさめるまでリカバリールームのベッドでお休みいただく必要があるため、院内で過ごされる時間が長くなりますし、副作用の可能性などのリスクもゼロではありません。そのため、こうしたことをしっかりご理解、ご納得いただいてからの検査となります。
なお、鎮静剤を使用した検査の場合、ご帰宅の際にお車などの運転をご自分で行うことができません。そのため、ご来院とご帰宅には公共交通機関をご利用されるか、ご家族などの送迎が必要になります。
より楽に胃内視鏡検査を受けるために
リラックスすることで検査をより楽に受けていただくことができます。余計な力が入らないようにすることを心がけるだけでもかなり違います。
動かないこと、そしてゆっくりとした呼吸を心がけることも有効です。なお、検査中に疑わしい部分があった場合、組織を採取しますが、これによる痛みはありません。
経鼻内視鏡検査について
経鼻内視鏡検査では、極細のスコープを鼻から挿入して行います。とても細く高精細な画像を得られるスコープですから、ほとんどの方が鼻から楽に挿入することができます。
経口検査を受けた経験のある方が経鼻検査を受けると、あまりにも楽に受かられるため驚かれます。鼻からの検査に不安のある方は、少量の鎮静剤を使うことで苦痛なく検査を受けていただくことも可能です。
経鼻内視鏡検査が苦しくない理由
以前の胃内視鏡検査は、口からスコープを挿入していました。舌の根本には触れられると強い嘔吐感が起こる場所があるため、口からの経口検査ではつらく苦しい思いをされる方が多かったのです。
現在の経口検査は麻酔や鎮静剤を使用することで以前よりかなり楽に受けられるようになっていますが、もっと負担の少ない方法が鼻からスコープを挿入する経鼻検査です。
経鼻検査は経口検査と比べて極細のスコープなので楽に挿入できますし、触れられるととてもつらく苦しい舌の根元に一切触れないため苦しくない検査が可能になっています。
経鼻検査では口をふさがれることがありませんので、検査中に医師と会話することができます。いつでも意思疎通が可能であることは、安心感につながります。
経鼻検査を楽に受けるために重要なポイント
経鼻検査では、一般的な消化器内視鏡専門医が診療の範囲外としている鼻から検査を行います。そのため、鼻腔の構造や特性をしっかり学び、経験を積んだ医師でなければ経鼻検査のメリットを十分に活かした検査をすることができません。
経鼻検査をご検討になっている場合は、内視鏡検査全体の症例数だけでなく、経鼻検査の症例数も必ず確かめるようにすることが重要です。
最新の次世代胃内視鏡システムを導入
世界初の次世代内視鏡システム『LASEREO(レザリオ)』は、特殊な2つのレーザーの光によって微細な粘膜の病変も見逃さずに観察することが可能です。検査の精度が上がり、検査時間も大幅に短縮することで患者様のご負担も軽減することができます。
2つのレーザーで病変を見逃しなく観察
内視鏡スコープの先端に、白色光用レーザーとBLI用レーザーと呼ばれる2つの異なる波長のレーザー光源装置を搭載しています。白色光用レーザーは血管や粘膜表面の構造をコントラストとして取得し、BLI用レーザーは発光強度比を変えて白色光観察と狭帯域光観察のそれぞれに適した光で、4つの観察タイプを切り替えて使用していきます。
BLI(Blue LASER Imaging)による画像
BLI(Blue LASER Imaging)は、粘膜の表面構造の観察に適した短波長レーザーです。レーザー光を照射して粘膜のコントラストなどの信号を処理して画像観察していきます。
発光強度を切り替えて観察できます
2つのレーザーの発光強度を切り替えることにより、微細な色の変化や血管や表面構造を強調した画像処理を行うことができます。
左の画像は、白色光を強調した従来のキセノン光源と同等の色調です。より微細な色の変化を強調するために分光画像処理を行っています。真ん中の画像は、BLI(Blue LASER Imaging)と白色光を強調させて明るい画像により血管や表面構造を強調しています。右側の画像は、BLI(Blue LASER Imaging)を増やすことで粘膜表層の血管や構造を強調させた画像を得られます。
実績・経験豊富な内視鏡専門医師による検査
当院の院長は日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持ち、豊富な実績と確かな技術で安全に検査が受けられます。
最新の内視鏡システムを導入して短時間で見落としの無い検査が可能です。内視鏡が苦手な方や不安な方でも安心して検査を受けて頂けます。
検査後はリカバリー室でゆっくりお休みいただけます
内視鏡検査を受けられた後は、鎮静剤が体から抜けるまでゆっくりとリカバリー室でお休みください。カーテンで仕切られていますので安心してお休みいただけます。
より楽に大腸内視鏡検査を受けて頂くために
大腸は引き伸ばされることで痛みや不快感を生じます。そのため当院では、軸保持短縮法という大腸を引き延ばさずにスコープを挿入できる手法を用いて、痛みや不快感を最小限に抑えた検査を行っています。この手法は、従来の方法に比べて安全性も高いため、安心して検査を受けていただけます。
また、シワやヒダの多い腸内をすみずみまで観察するために、大腸内視鏡検査では気体で大腸を膨らませて観察を行っています。
その気体に空気を用いると検査後もしばらくお腹の張りが残って、膨満感や不意に漏れるガスなどによる不快感がありました。当院では素早く吸収されてお腹の張りを残さない炭酸ガスを使用することで検査後の不快感がほとんどない検査を行っています。
なお、吸収された炭酸ガスは二酸化炭素となって呼気から自然に排出されるため、安全面でもご安心いただけます。